ワイルドカードがあるポーカー

確率論

概要

 トランプのルールの中にはジョーカーをデッキに含めたり、特定のカードをワイルドカードとして扱うゲームが存在する。一般的にはドローポーカーやビデオポーカー(ゲーム機上で特定のルールの下で賭けを行う形式のゲーム)で利用されることが多いだろうが、テキサスホールデムやオマハのようなフロップポーカーのルールを考えることもできる。フロップポーカーにおけるゲームを考察するために、代表的なルールを簡単にまとめておこう。本稿では以下のゲームのルールについて説明する。

  • Joker Wild
  • Joker as a Bug
  • Deuces Wild
  • One-Eyed Jacks

Joker Wild

 Joker Wildは通常の52枚のカードに1枚、または、2枚のジョーカーを追加し、ジョーカーをどのようなカードとしても差し替えて適用できるワイルドカードとして利用できるようにしたポーカーのルールである。フォーカードとジョーカーを組み合わせるとファイブカード(Five of a Kind)という役になり、ロイヤルストレートフラッシュより強い役として扱われる。ただし、ファイブカードを除いて、役を作る際には役に含まれる手札に差し替えることはできないことに注意する。例えば、フラッシュで役にA,K,T,9+ジョーカーである場合はA,K,Q(ジョーカー),T,9のフラッシュと同等に扱われることに注意する必要がある。A,J,T,7+Joker vs. K,Q,T,7+Jokerのフラッシュ対決のような場合は後者の方が勝利と判定されることになるだろう(前者はJokerがK扱い、後者はA扱いであるため)。

 このルールではJokerが非常に強く、AAよりJoker+任意の手札の方が勝率が高いかもしれない(これは将来的に分析してブログに掲載するつもりである)。強い役での勝負を楽しみたい場合は2枚入れれば良いと思うが、この場合はJokerが引けるかの勝負になってしまうかもしれない。単純にアクセントとしてJokerを追加したい場合は、1枚だけにとどめておく方がよりポーカーらしいゲームになると思われる。

Joker as a Bug

 Joker WildではJokerが強すぎるため、どのようなカードとの組み合わせでもJokerが手元にあるかで差がつきすぎるという性質がある。Jokerの使い道を制限することでこの影響を緩和したゲームがJoker as a Bugである。

 Joker as a Bugでは、JokerはランクとしてはA扱いでペアやスリーカードなどを作る際は他のランクを代用することができない。ワイルドカードとして扱えるのは、フラッシュやストレートを作る場合のみである。また、ファイブカードはA以外にあり得ないため、役として無しにしてしまうことも可能であるかもしれない(A4枚+Jokerとストレートフラッシュでどちらが強いか決める必要があるが、これが起こる確率は天文学的に低い確率でしかない)。Joker as a Bugでは、Joker2枚が手札であっても負ける可能性が相応にあるので注意が必要だろう。

Deuces Wild

 Deuces Wildはランクが2のカードをすべてワイルドカード扱いするポーカーのルールである。2の他に3や9をワイルドカードにするルールもあるらしく、Baseball Pokerと言われるらしい。ドローポーカーのDeuces Wildではファイブカードが最強の役であるが、テキサスホールデムのように手札2枚と共通カード5枚から役を作る場合はストレートフラッシュの方が成立確率が低いようであり、ストレートフラッシュ>ファイブカードというルールが一般的であるようである。

 ワイルドカードが4枚もあるため非常に強い役が成立しやすく、前半のラウンドでオールインになってしまう可能性が高そうである。ショートデッキホールデムのように40bbぐらいのショートスタックのゲームにした方が良いかもしれない。Deuces Wildではワイルドカード2枚が手札(2のポケットペア)である場合は必ず勝利となるが、特別なルールとして、手札が配られた時点でプレイヤーは申告することで不戦勝になりブラインドとアンティを受け取ることができる。逆に、申告しないでショーダウンすると必ず負け扱いになるらしい。プリフロップで勝ちが確定している状態で賭け金を増やすことができないようにルール設定されているようである。

One-Eyed Jacks

 One-Eyed Jacksは片目しかカード上に描かれていないJackのことであり、スペードとハートのJのことである。この2枚をワイルドカードとして扱うポーカーのルールがOne-Eyed Jacksである。これに加えて、Suiside King(ハートのK)もワイルドカードとして扱うバリエーションも存在するようである。スートによって役の成立確率が変わるということで通常のテキサスホールデムのようにKJsみたいにSuitedのハンドを一括りにできなくなるということで、特にプリフロップの戦略が複雑になるだろう。

 ワイルドカード以外においても、スートによって非対称性を持たせたり、フラッシュのスート間で強弱をつけるようなルール(テキサスホールと同様のルールだとフラッシュの可能性は1色しかないため手札や共通カードの枚数を変える必要があるけど)を考えると、面白いルールを考えることもできるかもしれない。

まとめ

 本稿ではワイルドカードがあるポーカーのルールについて代表的なルールを説明した。筆者のポーカーアプリ”Exotic Poker”上では、Deuces WildとOne-Eyed Jacksが標準的なゲームに含まれていないので近いうちに追加したり、そのルールに対応したNPCのアルゴリズムを導入していくようにしよう。そのうち、手札の強さについて考察した記事は用意しようと思う。