ショートデッキホールデム

確率論

概要

 テキサスホールデムについて、いくつかツールを作ってきたが、ショートデッキホールデムについても同様のツールを作ったのでリンクを貼っておく。ゲームはブラフを打ってこないという意味で人間らしくない対戦相手であるがゲームの雰囲気を見るには十分な機能を有しているだろう。そのうち、人間らしい戦略を実行するNPCを実装出来たら実装するつもりである。

ツールのリンクついでにゲームのルールや特徴について簡単に説明しようというのが本稿の趣旨である。

ルールと特徴

 ショートデッキホールデム(6+ホールデム)は、トランプのカードからランクが2,3,4,5のカードを除いた36枚のカードを使って行うテキサスホールデムである。ゲームのルールや進行手順はテキサスホールデムと基本的に変わらないが、役の判定が以下の点で異なる。

  1. フラッシュの成立確率が低くなるため、フラッシュとフルハウスの役の強弱が反転する。フラッシュとフルハウスのプレイヤーがいる場合、フラッシュのプレイヤーが勝利と判定される。
  2. ストレートはA6789,6789T,789TJ,89TJQ,9TJQK,TJQKAの6通りになる。

テキサスホールデムと比較したゲームの特徴を列挙すると以下の通りである。

  1. スリーカードやストレートの成立確率が高くなる。結果として、相対的にワンペアやツーペアは手札として弱い傾向がある。
  2. AKのようなワンペアやツーペアができると強いハンドの評価が相対的に低下し、スリーカードやストレートを狙えるポケットペア(特にJJ,TT,99などのミドルペア)やコネクティッドの評価が相対的に高くなる。
  3. フラッシュは役の強さは強化されるが、役が揃う確率が低くなっており(9枚のうちの5枚を揃える必要がある)、あまり意識してプレイされない傾向があるかもしれない。

JやTの評価に特徴がある

 ショートデッキホールデムではストレートの成立確率が高い上に役としても強い(天敵であるフラッシュの成立確率が低い)ものであるため、ストレートを成立させる確率が高い手札の評価が相対的に高くなる。6通りのストレートの組み合わせを見るとカードのランクで含まれる個数が明らかに異なることが分かるだろう。表にすると次の通りである。

ランクストレートに現れる個数
T,9
J,8
Q,7
A,K,6

ストレートだけを考えればTが最もストレートを成立させやすくランクも高いカードになる。Jも組み合わせは4個であるもののランクの高いストレートを成立させやすいという意味で9より強めに評価されるようである。

 実際に、6人の勝率テーブルで勝利確率が高い順に手札を並べるとAA,KK,QQの次がJTsになっている。

VPIPが20%になるように勝率が高い手札を選ぶと以下の通りであり、JやTが含まれる手札の評価が高いことが見て取れるだろう。

 ショートデッキホールデムはテキサスホールデムと比較してプリフロップ時点で配られる手札での差がつきにくい傾向があるため、ルースにプレイすることができると推測されるし、強い役が成立しやすいためアグレッシブにプレイされる傾向があるようである。テキサスホールデムよりルースアグレッシブなプレイヤーがプレイしやすいルールになっているのかもしれない。少ないゲーム数で大きなチップが動きやすいルールになっているため、アグレッシブなプレイに躊躇がない人はショートデッキホールデムを気に入るかもしれない。