セブンカード・スタッド(7 Card Stud)

確率論

概要

 ゲームの開発に手が取られていて、相変わらず文章を書けていないのであるが、今回は開発中のゲームの画面イメージを紹介しつつ、セブンカード・スタッド(7 Card Stud)といわれるゲームのルールについて簡単に説明しようと思う。セブンカード・スタッドはテキサスホールデムがポーカーの標準的なルールとして流行する以前によくプレイされていたポーカーであるらしく、テキサスホールデムの前身とも言えるゲームであるかもしれない。現在ではあまりプレイされることがないらしいが、筆者が開発しているゲームでは一応プレイできる(NPC相手に対戦できるので人を集める必要がない形式でプレイできる)ようにしているのでルールを説明しておこう。

基本的なルール

 セブンカード・スタッドとテキサスホールデムの大きな違いは公開される共通カード(Community Cards)がプレイヤーで共通ではなく、各プレイヤーに公開カードが配布される点である。セブンカード・スタッドでは公開カードが4枚配布されるが、各プレイヤーに4枚ずつ公開カードが配布される。これに加えて、各プレイヤーに配布される3枚の手札の合計7枚でポーカーの役の強さを比較する。ポーカーの役の判定や強弱はテキサスホールデムと同じである。(以下の画像は3rd Streetのときの配布カードのイメージである。)

 3枚の手札と4枚の公開カードは以下の順番で各プレイヤーに配布される。

  1. 3rd Street: 2枚の手札と1枚の公開カードを各プレイヤーに配布する。
  2. 4th Street: 1枚の公開カードを各プレイヤーに配布する。
  3. 5th Street: 1枚の公開カードを各プレイヤーに配布する。
  4. 6th Street (Turn): 1枚の公開カードを各プレイヤーに配布する。
  5. 7th Street (River): 1枚の手札を各プレイヤーに配布する。

テキサスホールデム同様に、各ラウンド毎にプレイヤーはベッティングアクション(コール、レイズ、フォールドなど)を決定する。テキサスホールデムと異なる点は、行動の決定順位がブリングイン(Bring In)と言われる特別なルールで決定されること、及び、ベットやレイズの金額は固定値(Fixed Limit)であり、その回数にも制限があることが一般的であるという点である。

 ブリングインのルールは後述するとして、基本的なアクションの流れを説明する。紛らわしいが、以下ではSB/BBと言う場合、BlindではなくSmall Bet/ Big Betという用語を指している。セブンカード・スタッドでは100/200のように表す場合、Small Bet =100, Big Bet=200という意味になる。テキサスホールデムにおけるBig BlindはSmall Betに相当する額が対応しているように見えるが、基本的には異なるルールである。

  1. 3rd Street: ブリングインで決定した最も弱い公開カードを持つプレイヤーが Small Bet (SB)と言われる額の半分をポットに強制ベットする。ブリングインの左隣のプレイヤーからアクションを決定する。レイズする場合は、スモールベットと一致するようにレイズする(Completeという)、Small Bet分だけレイズする(上限3回)の合計4回までベット額を上げることができる。例えば、SBが100の場合、Bring In (50) -> Complete (100) -> Raise (200) – > Raise (300) -> Raise (400)のように推移する。もちろん各プレイヤーはCallすることもできて、Raiseが無ければ、50でラウンドを終了する。
  2. 4th Street: ブリングインで決定した最も強い公開カードを持つプレイヤーからアクションを開始する。ベット額はSmall Betであり、ベットを含めて最大4回レイズすることができる。
  3. 5th Street: ブリングインで決定した最も強い公開カードを持つプレイヤーからアクションを開始する。ベット額はBig Betであり、ベットを含めて最大4回レイズすることができる。
  4. 6th Street: ブリングインで決定した最も強い公開カードを持つプレイヤーからアクションを開始する。ベット額はBig Betであり、ベットを含めて最大4回レイズすることができる。
  5. 7th Street: ブリングインで決定した最も強い公開カードを持つプレイヤーからアクションを開始する。ベット額はBig Betであり、ベットを含めて最大4回レイズすることができる。

ルールによっては、7th Streetはヘッズアップの場合レイズ回数の上限が取り除かれることもあるようである。7th Streetまで複数のプレイヤーが残っている場合はショーダウンで勝者を決定するというのがゲームの大枠の進行手順である。

ブリングイン (Bring In)

 テキサスホールデムではプレイヤーの行動の順番はポジションで決まっているが、セブンカード・スタッドでは公開カードの強さで決定される。3rd Streetは弱い手札、それ以降は強い手札を基準に行動の順番が決定される。強さの判定基準は以下の通りである。

  1. 3rd Street: 1枚の公開カードのRankの強弱で決定する。弱いカードが同じランクである場合は、♠ > ♥ > ♦ > ♣の順で判定する。例えば、♣の2は最も弱い手札と判定される。
  2. 4th Street: ワンペア>ハイカードで、ペアのランクが強いプレイヤーが最初に行動を行うプレイヤーになる。3rd Street同様に役が同じである場合、強い方の札のSuitを比較して順番を決定する。
  3. 5th Street: スリーカード>ワンペア>ハイカードの順。強い方の札のSuitを比較して順番を決定する点は同じである。
  4. 6th,7th Street: フォーカード>スリーカード>ツーペア>ワンペア>ハイカードの順。強い方の札のSuitを比較して順番を決定する点は同じである。

ルールが煩わしいのでテキサスホールデムのように固定順でプレイすることも可能であるが、一般的にはこちらのルールが用いられるらしい。

まとめ

 セブンカード・スタッド自体はテキサスホールデムと比較して煩わしいルールが多いため、過去のポーカーであり、改めて流行するということはなさそうであるが、各プレイヤーに公開カードを配布するというルールはテキサスホールデムと異なる別のポーカーを考えるうえで参考になるものであるかもしれない。ゲームを公開してプレイできるようになったら、試しにプレイしてみても面白いかもしれない。開発がスランプ気味で少し気晴らしに文章を書いてみた感があるのは否めないけど・・・